打球にスピンをかけたボールは本当に飛ぶのか!

 

打球を遠くに飛ばすには力まかせに打っても飛びません、スイング速度を速めるだけでなく
ボールの下を打ちボールに強いバックスピンをかけることが重要である。バックスピンとは
ボールの下側にインパクトの瞬間バットを強く当ててバックスピンをかける。(図2)

飛距離が最大になるインパクトのb条件説明図

このバックスピンをかける、つまりインパクトの瞬間ボールに逆回転を与えて遠くに飛ばす
バッティングの技です。この技術は今までのダウンスイング、レベルスイング、アッパース
イングの時もボールの下側を打ちバックスピンをかけるように打ちなさいと教えています。

バックスピンの回転が掛かったボールの方が遠くに飛ぶ!

無回転のボールとバックスピンの掛かったボールを同じ速度で、同じ角度で投射すると、
バックスピンの掛かったボールの方が遠くに落下します。何故かと言うとバックスピンの
掛かったボールには上向きの揚力が働くために滞空時間が長くなるためである。

 

揚力は回転数が多くなれば、なるほど大きくなるため、強いバックスピンがかかったボールほど
滞空時間が長くなると言うことになります。つまり、強いバックスピンをかけることによって
打球をより遠くに飛ばすことが可能になると言うことになります。

ボール(物体)を回転させるには重心から外れた位置に力を与える

ボール(物体)を回転させようとする効果は、力を加える位置が重心から離れているほど大きく
なり、揚力も大きくなる。つまり強いバックスピンがかかったボールほど滞空時間が長くなると
言うことになります。そのため、ボールの中心の下側をインパクトすることが重要である。

 

ピッチャーが投球するボールは、どんなに速いボールでもホームベース上にくるとボールの軌道
は下降する。軌道は5~15度、しずみながらホームベース上を通過する、打球速度を最速に
するには10度前後上向きのアッパースイング軌道でバットをボールの中心にぶつける。
(図1-2)

打球速度は最速になるが、バットの中心とボールの中心が正面衝突した場合は打球に角度が
つかないためボールが回転しない、つまりバックスピンがかからないのである。ボールは無回転
のため、ボールに上向きの揚力が生まれない。そのために打球速度が速くても飛距離が出ない。

 

したがって、飛距離を最大に飛ばしたい場合はアッパー気味のスイング軌道でボールの中心の
下側をインパクトすることが必要である。速球を打撃する場合はボールの中心の6ミリ下を
19度上向きのスイング軌道でインパクトすると打球に角度がつき、回転数も増加し
飛距離がでる。
それが『フライボール革命』の打撃理論である。(図ー2)

 

このボールの6ミリ下側を打つと理想的なバックスピンが掛かり長打・ホームランになると言う
のが「フライボール革命」の打撃理論ですが、今までのレベルスイングやダウンスイングも
ボールにバックスピンをかけることは分っていましたが、ここまでデータ化されていません。

「フライボール革命」を実践するには練習しかない?

 ボールの中心からわずか6ミリ下を打てと言われても理屈は理解しても簡単には打てるもでは
ありません。物理的にもかなり難しいことは理解できますが、実際にメジャーリーグの
アストロズの選手は全員で練習し実践して2017年にワールドシリーズで優勝しています。

 

わずか数ミリのバットコントロールを磨くとは時間が掛かると思いますが、練習する価値は
あると思います。外野フライを打つ練習から始めてティバッティング練習など全ての打撃練習で
フライを打つ意識を持つことから始めてみてください。

 

打者の筋力や技術、スイング速度など選手によってさまざまである。ボールに回転を与える
のはボールの下6ミリだけでなく、スイングスピードが速い方が打球の回転数増加四角度も
付きやすい。スイング速度の速い選手はボールの中心に近い位置を打つことで飛距離が出る。

 

つまり、それぞれが自分のフォームやスイングスピードによって打球の回転や角度が変わること
を頭にいれて、自分に合った技術を探し繰り返し練習をして身に付けよう。
理論が分かっていれば後は練習するだけである。