「フライボール革命」は世界の野球を変える打撃理論!

メジャーリーグで近年、巻き起こった「フライボール革命」が日本でも広がりを見せている
フライボール革命とは、バッターがよりヒットやホームランを打つにはゴロよりフライや
ライナーの方がヒット率、長打率、ホームラン率が圧倒的に確率が高い打撃理論です。

バレルゾーンの説明図

ゴロのホームランは当然ありませんが、長打もほとんどありません。外野フライは他の打球に
比べて本塁打率がダントツに高い。今までの野球の常識では塁に出るには外野フライよりゴロを
打てと教わる、ヒットでなくても内野手のエラーや送球ミスがあるからだ。

 

メジャーリグのフライボール革命の打球の種類別割合のデータを見るとヒットの確率でも
外野フライの方がゴロの確率より高い、ライナーになるとゴロの3倍近く高くなり、圧倒的な
数字になる。さらに最近では守備シフトが盛んになり内野手が5人で守るのが当たり前である。

そのためゴロで内野手の間を抜くのが難しくなり、ますますフライ革命の技術が必要になって
きています。つまり5人で守るなら、内野手の頭を超えるフライ、ライナーを打てば内野手が
何人いようが関係なくなります。

データの分析から「バレルゾーン」が生まれた」!

フライ革命の需要により、フライの有効性が明確になり、打者はフライを狙って打つように
なるが、ただフライを漠然と打つだけでは長打もホームランも打てません。そこで考えられた
のが「バレル」と言う指標である。打球速度と打球角度の組み合わせで構成される、ゾーンの
ことを「バレル」と言う。(図1)

 

このゾーンに入った打球は必ず打率5割、長打率1.500以上となります。要は「どんな打球」
「どのような角度」で打てば長打やホームランになるのかを示す指標です。バレルになるには
打球速度が最低158km/hが必要で、打球角度は26度~30度の範囲が該当する。

バレルになる角度は、打球速度が速くなれば、なるほど角度は広くなります。つまり打球速度が187km/hになると、8度~50度の広い範囲がバレルとなる。フライの有効性が数字化
され、さらに「どんな打球を打てば良いのか」も数値で表すことができるようになり打者は
漠然とフライを打つのではなくバレルゾーンを目指して打つようになったのです。

飛距離が出るインパクトの角度は?回転は?

今までは、ボールの下を切るような、バックスピンをかける打ち方がより飛距離が出る
打ち方とされていた。そう長嶋選手や、王選手が活躍していたころは、上から叩けと言う
つまり上から叩くようにボールをカットするスイングがベストな振り方とされていました。

 

実際、王選手が1本足打法で素振りをしている写真見て当時の子供達は練習したものです。
王さんはその打法で世界一のホームラン数を打ったのですから、上から叩くカット打法は間違い
とは言えませんが!ボールの下を「切って」バックスピンをかけると揚力が大きくなり
遠くに飛びます。

 

が、過度に回転数を上げようとするとボールの中心から離れた所を打つことになり打球速度が
低下します。そのため飛距離は伸びません。研究結果によるとストレートを打つ場合はバットが
水平面よりも19度上向きの軌道を、ボールの0.6センチ下側を打つと飛距離が最大になる
ことが判明した。(図2)