緩急の配球とは、高低、左右、前後の配球をすることを言う!

 ピッチングは上下(高低)、左右(コース)と前後で勝負します。ココで言う前後とは、
バッターのカラダを前後(ピッチャーよりとキャッチャーより)させることです。バッターは
前に出たら、カラダが泳ぎ、バットに芯を外され、後ろに残ったままだと投球に差し込まれ、
詰まった打球を打たされます。そのバッターを前後させる配球のことを「緩急をつける」と
言います。例えば、時速130キロのストレートの後に時速90キロとか80キロカーブなどの
変化球が来たら、バッターはボールを待ちきれず、カラダが前に突っ込み、
バットの芯を外されてしまいます。

緩急の配球とは、高低、左右、前後の配球をすることを言う!

▲緩急は”ここと”言う時に使います!

逆に80キロくらいのスローボールの後、時速130キロのストレートが来たら、バッターは
差し込まれて、打球は詰まってしまいます。緩急とは、コースよりも、投げるボールのスピード
差が重要です。そのスピード差がついていれば少々コースを外れても、バッターは簡単には
打てません。しかし、「緩急」は常時使うことはありません。「上下、左右、前後」と
お話ししましたが「左右」だけで打ち取れるバッターであれば、しっかりと左右に投げて
打ち取ればいいし、それだけで無理であれば、「上下」を加えて、「高低」も使います。
それでも打たれそうならば、この「前後」の「緩急」使います。

▲空振りをとりカウントを進める

どんな時に「緩急」を使うと効果があるのか、カウントをとる場面と、空振りをとりたい場面が
あります。初球をアウトコース低目にストレートが決まってワンストライクを取った場合、
2球目をインコース高めに投げて「ボール」になり、3球目に遅い(スローカーブ等々)を投げて
1-2にします。または、ツーストライクまでストレートでグングンと追い込んでおき、
バッターがそのストレートに振り遅れないように、タイミングを合わせて、きたところで、
チエンジアップやパームボール、ナックルボールなどを投げて、空振りを取りに行きます。

高目と低目の配球は投手と打者との駆け引きである!

 ピッチャーに対して「低目に投げろ」と良く言われれる言葉です。が本当に低目に投げて
おけば良いのでしょうか!答えは「いいえ」です。確かに低目に投げることができる制球力は
重要です。低目だけに投げて、いれば良いわけではありません。どんなに良いボールでも
低目一辺倒に投げていたのでは、人間の目は慣れてきます。特に優れたバッターは、2球同じ
ところに投げてくれば3球目に簡単に打ってしまいます。ピッチングはバッターとの駆け引き
であり。お互いに相手の読みの裏をかくのが勝負なのです。悪く言えば騙し合いなのです。
その低目のボールを活かすために「高め」のボールが必要になってくるのです。

バッターは左右よりモ、上下のボールの判断が難しい

 ストライクゾーンには、インコースとアウトコースの横幅と、高目、低目の縦幅があります。
「インコース」と「アウトコース」に投げ分けることはとても大事です。が同じように
「高目」「低目」に投げ分けることも重要なのです。インコースとアウトコースの横幅は
「左右」でもあり、人間の目は左右についています。そして高目と低目は「上下」です。
人間の目は「上下」についていません。つまりバッターボックス内のバッターには、左右より
上下の方が瞬時の判断はしにくいと言えます。これは、ストライク、ボールを判断する
審判の主審にも言えます。

2022年11月29日