自分をコントロールし、
良いパフォーマンスを発揮するにはルーティンが必要!
自分のバッティングに合ったルーティンを創ろう。ルーティンとは最高のパフォーマンスを
引き出すために、プレーに入る前に行う決められた動作のことです。バッターはバッター
ボックスで構える前にする動作のことです。メジャーリーグで活躍した、イチロー選手の
ルーティンが有名ですね!『バットを大きく回して、センター方向にバットを立てながら
左手で右袖をかるく引っ張る』などのルーティン行っていることは誰もが知っていますよね!
もちろん、ピッチャーにもルーティンはあります。マウンドの上で軽くジャンプしたり、
深呼吸したり、“よしっと!”自分を叱咤したり・・・と、ぶつぶつと独りとごとを
つぶやいたりと、さまざまなルーティンがあります。ルーティンには
どんな効果があるのでしょうか。
▲ルーティンの効果とは!
◇「心の準備」
プレーに入る前に、やるべきことを決めておくことで、心のスイッチがスムーズに入る。
バッターであれば、ピッチャーに対して“さーこい”という気になる!
◇「集中力を妨げるものから、気をそらせてくれる」
やるべきプロセスを意識することで、脳の容量の大半を占めることになり、余計なことを
考える隙が無くなりやるべきことに集中できる。
◇「安定したパフォーマンスを発揮できる」
環境やその時の状況に左右されずに毎回同じ行動することで、パフォーマンスを
安定させることができる。
◇「試合のための練習」
普段の練習の時からルーティンを使ってプレーをすることで、試合でも普段の自分を出せる
ため、極端に緊張することなく、余裕をもって試合に臨める。
ルーティンの微調整も練習でしておきましょう。
◇「気持ちの切り替えのためのルーティン」
エラーなどマイナスなことが起きても、ルーティンを入れることで前向きに素早く
切り替えられる。これだけの、専用のルーティンを考えておくのが良い。
▲ルーティンは2種類必要!
バッティングの場合は毎回バッターボックスに入る前に行う、または入ってから構える前に
行う。また、ピッチングの前行う決まった動作などが「普段のルーティン」です。
「気持ちの切り替えのためのルーティン」に関しましては、バッティングやピッチングに入る
ためのルーティンとは違い、エラーや、送りバントなど失敗したとき、どんなに冷静な選手
でも、マイナス思考に陥りやすいため。素早く切り替えられるためのルーティンです。
人間の心と身体は連動しています。自分が思う通りにプレーができたり、イメージ通り試合が
進んでいる時には、精神的に落ち着いていて、自分をコントロールし易く、快適な状態です。
逆に身体の調子が悪い時は、思う様なパフォーマンスができません。審判の判定に不満を
感じたり、ミートポイントが遅れたり,等々・・・。
投手であればいつものテンポで投げられず、呼吸が乱れたり、脈拍が速くなったりと自分を
コントロールできず、自分のリズムやペースを崩すことになってしまいます。そのままにして、
気持ちの切り替えができず、どんどん気持ちが追い込まれてしまい、相手にいいように
つけこまれてしまいます。そんなときに、『気持ちを切り替えるルーティン』が必要になる
のです。「バッティングのルーティン」も「気持ちの切り替えるルーティン」も
練習の時から訓練しておきましょう。
▲ルーティンは3つ要素でできている。
❶カラダの動きを使ったルーティン方法!
練習と違って、試合なると選手は普段と違った力が働きますカラダに余計な力が入ったり、
呼吸が速くなったりするものです。
◇バッターボックスで構える前にゆっくり深呼吸をする。
◇バッターボックスで構える前に全身に力を入れて、すぐに脱力する。
◇バッターボックスに入る前に大きく背伸びをして肩を回すなどして力を抜く。
◇バッターは、一球ごとに、バッティング・グローブのテープをきつく締めなおして、
気持ちを切り替える。メジャーやプロ野球の選手が良くやっています。
❷視覚を使ったルーティン方法!
人間は緊張しすぎたり、追い込まれると視野が狭くなり、周りが見えなくなってしまい、
プレーが雑になり、エラーしたり、とんでもないボール球を振ったりしてしまうのです。
◇バッターで、絶好球を打ち損じてしまった時、バッターボックスを外し、
バックスクリーンの旗や時計を見る。
◇ピッチャーにでヒットを打たれてしまった後は、マウンドを降りて目印を決めておいた
バックスクリーンの旗を見ながらゆっくり深呼吸をして、リセットします。
◇バッターの場合も狙い球を打ち損じてしまった場合も同じようにバッターボックスを外し
バックスクリーンの旗を見る。
注)、普段の練習から、グラウンドの遠くに何があるのか目印を決めておきましょう。
普段の練習中から、自分をコントロールできなくなった時には、その遠くの目印を見て
視野を広げ、平常心や落ち着きを取り戻すと言う習慣をつけておきましょう。
一種のメンタルトレーニングです。
❸言葉を使ったルーティン
人間は口に出した言葉は必ず、頭の中でイメージします。ミスした時にネガティブな言葉を
口にすると、その言葉が頭の中を悪いイメージが支配してしまい、よりマイナスの方向に
カラダが動いてしまいます。ミスをしてはいけないと思えば思うほどミスが出てしまいます。
『ミスをしてはいけない』という言葉を頭の中でつぶやくことで、ミスの場面をイメージして
しまうから、その通りになってしまうのです。言葉には、想像以上にパワーあるのです。
したがって、『無理だ』とか『ヤバい』『ダメだ』とすぐに口に出る人は自分自身に
言い聞かせてピンチの時は、俺は『大丈夫、ミスをしない』と頭に叩き込んでおきましょう。
プレッシャーのかかる場面では、自分がすべき行動を口に出すと、集中しやすくなるので頭に
入れておきましょう。ミスした時は、頭を切り替えて『俺は出来る』『俺は大丈夫だ』と
自分に言い聞かせておくこと。これも練習のときから訓練しておきましょう。
▲ルーティンづくりは自分のクセやプレースタイルから!
自分のルーティンを作るには、まず自分のプレースタイルやクセなどからヒントを得て
ルーティンとして使用して見ましょう。また、自分の調子が良い時にはどのようなクセか、
どのような行動をとるのか等々・・・自分で把握できない時は、チームメイトに聞いて
みましょう。それをルーティンとして使えるかどうか検討して見ましょう。
または、自分が調子の良い時、悪い時、どんなことを考えて、
バッターボックスや守備位置についているのか!
ピッチャーであれば、マウンドでどんなことを考えているのか!またつぶやいているのか!?
振り返って、書き出してみましょう。その中からルーティンに使えそうな、言葉や行動が
見つかれば、練習時に使ってみるのです。また、チームメイトと一緒に話し合いながら
考えてみるのも、いいアイディアが見つかるかもしれません。自分の調子の良い時、
悪い時のクセや動きなど、すべて書き出してみると、ルーティンに使えるヒントを
見つけ出すことができます。
このようにして調子の良い時の思考や行動、クセや習慣をいくつか見つけることができたら、
それを、ルーティンとして使用できるかどうか、検討し実際の練習時に実行しましょう。
新たに作り上げるよりも、もともとやっているクセを『普段のルーティン』に取り入れる
方が、無理のない自然のルーティンをつくりやすくなります。
▲ピッチャーのルーティン例
ルーティンをつくるとき、あまり多くの要素を盛り込まないように注意しましょう。できる
限りシンプルにするのがコツです。あまり複雑にするとかえってストレスになってしまいます。
順番を間違えたり、気になったりとルーティンの意味がなくなってしまいます。
◇打たれたくないためコーナーを狙い過ぎて、視野が狭くなりがちのとき、バックスクリーン
の掲示板を見ながら深呼吸をする。その後「しっかりしろ」とつぶやくことにしている。
◇1球ごとに、深呼吸をして、力みを抜くようにしている。ミットを胸の前で構えたとき
上半身の力を抜くように肩を落とす。
◇キャッチャーからの返球をマウンドの下で受け取り、気持ちをリセットしてから、
マウンドに上がるようにしている。
◇マウンドで大きくゆっくり呼吸、次に小さく強い呼吸をしてから、投げる。プロ野球の
選手が使っている。ルーティンです。多くのピッチャーが利用しているルーティンです。
▲バッターのルーティン例
バッターの場合は相手ピッチャーに合わせる、つまりピッチャーのルーティンをネクスト
バッターズサークルにいると時から、打席に立っている時と同じようにタイミングを計らな
ければなりません。ネクストバッターズサークルでピッチャーとの戦いは、始まっています。
バッターのルーティンは、ピッチャーのペースに合わせなければ、なりません。したがって
バッターのルーティンはよりシンプルで、負担にならないルーティンにするべきです。
◇バッターボックスで、肩や手にグッと力を入れて、フーッと力を抜く、筋弛緩法をする。
◇打席には必ず右足から入り、左足で土を軽く均し、バットでベースを軽く2回たたく。
◇1球ごとに打席を外し、バッティング手袋を占め直してから、深呼吸をして構える。
打者の場合は、気持ちを「切り替えるためのルーティン」をつくっておいた方が良いと
思います。絶好球を打ち損じてしまったり、送りバントを2球続けて失敗したりして、
精神的においこまれてしまったとき、打席を外して決めておいたルーティンを行い気持ちを
リセットすることが必要です。リセットしないで、精神的に追い込まれた状態で続けても
失敗するのは目に見えています。練習の時から「切り替えるためのルーティン」を
訓練しておきましょう。
「切り替えるためのルーティン」は、視野が狭くなり失敗が尾を引くようであれば一度遠くの
を目印を見てゆっくり深呼吸をするなどして気分をスパッと切り替えましょう。または
筋弛緩法を使って固くなっているカラダの力を抜きましょう。さらに「自分はできる」など、
ポジティブな言葉をつぶやくなどして、気分を変えましょう。