インパクトの瞬間「押し込む」ことは出来るの?

打者がインパクトの瞬間とは、バットがボールに当たるインパクト(衝突)の瞬間を言います。
これを力学的に見ると打球の質(速度・回転・角度)が下記の要因によって決まる。
投球されたボールのスピード、インパクトのまでのスイングスピード、スイング軌道など、
インパクトの瞬間バットにボールが当たる位置などによって打球の内容が決まります。

インパクトの瞬間に両手に伝わる前に打球はバットから離れようとする

バットの芯にボールの芯が当たればジャストミートでバッターがフォロースローまで大きく振り
切れば長打になります。ジャストミートの瞬間に監督やコーチは「ボールを押し込め」
「インパクトの瞬間にボールを押し込め!」と指導します。(新時代の野球データ論より引用)

▲ボールを押し込むことは不可能!?

 ボールをインパクトの瞬間生じたバットの振動がグリップに伝わるのは、バットがボールに
加えた力の99%が伝達した後、約0.0006秒後なる。これは、「バットがボールが当たった!」
と打者が認識した瞬間には、バットに接触したボールはすでにバットから
離れようとしている。(図1)

 

右手で伸ばして押し込む動作をしてボールに力を加えるのは力学上、不可能ということに
なります。つまり、インパクトの瞬間、右手で押し込むということしてもボールに
伝わりません、ボールが離れてから押し込んでもボールにパワーが伝わりません。

▲なぜ人間の感覚は、ずれてしまうのか?

インパクトの瞬間、押し込むことは物理的に不可能なことは理解できたと思いますが、打者が
インパクトの瞬間に『押し込んだ』と言う感覚になってしまうことはなぜでしょうか?
そのように感じるときは、ジャストミートしバットの芯でボール捉えている。

 

ために、バットの振動が小さくなり、インパクト後のフォロースルーまでスムーズにスイングが
できたときに強い打球が飛び、そんなバッティングができた時に押し込めたと感じる。
この時、振りぬいた後の両手に残る感覚の良さが、いいバッティングができた証しでしょう。

▲自分の感覚、客観的な事実とはズレているのは当然である!

ジャストミートの瞬間0.0006秒自分の感じるのが遅くても、正しいいスイングをしていれば、
いい当たりは出て当然であり、ジャストミートした瞬間に手に感じる感覚は長い間
練習や試合で鍛えられます。もちろん感覚も変わります。

 

ジャストミートの感覚も芯を外した時の感覚など全て手の平や手首への衝撃など、常に練習で
バッティング技術と同じように感覚、感性を磨くことが重要になります。ただ問題は、
体力、年齢、環境、日々変化します。当然、感覚同じです。

 

体力と同じように客観的な事実を理解し、年齢や、体力や年齢などを考えて、様々な
アプローチを考えることができれば。感覚や技術もパフォーマンスの向上への近道を見つける
ことができると思います。0.0006秒ってほとんど時間差は感じないでしょう。