プロ野球の、右投げ左打ちの選手が多いのはナゼ!?

 

プロ野球も高校野球、大学野球も右投げ左打ちの選手が多くなっています。簡単に言うと
左打者の方が一塁ベースに近いためヒットになる確率が高いため、右バッターより一塁に
到達するのが約0.2~0.3秒違うと言われています。

また、右投げあれば守る守備位置はどこでも守れます。左投げ左打ちの場合は外野か投手
ファーストに限られてしまいます。セカンドやサード、ショートではファーストに投げるのも、
セカンドに投げるのもカラダを半回転しなければなりませんその分遅くなります。
つまり、ポジションが限られてしまうのです。

▲左バッターの方が圧倒的に有利である

またメジャーリーグの選手を調べた研究によると、右バッターよりも圧倒的に左バッターの方が
良い成績を上げることができると『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン』の
医学誌の電子版で2017年10月26日に発表しました。

・右投げ左打ちに変えたプロの有名な選手たち!

現役選手では、大谷翔平、柳田悠岐、清宮幸太郎、筒香嘉智、亀井義行、青木宣親、福留孝介。
また今シーズン(2020年)パリーグの首位打者になったオリックスの吉田正尚、阪神の高山選手
糸井選手など・・・プロ野球界で右投げ左打ちの選手は36.7%(2019年)。
また夏の甲子園大会(2019年)でも約38%以上と増え続けています。

 

引退した選手では、イチロー、松井秀樹、高橋由伸、阿部慎之助、金本知憲、立浪選手
など。錚々たるメンバーですね!日本の野球界では今も意図的に右投げ左打ちの
バッターが増え続けています。

▲右投げ左打ちの選手増える理由!

 欧州の大学の研究チームのリーダーであるアムステルダム大学のデビット・マン教授は
(スポーツ医学)は論文の中で、右投げ左打ちの選手が増える理由を3つ上げています。

1、左打者の利点として衣類までの距離が短いため安打になる確率が高い。左のバッター
        ボックスはバットスイングも一塁方向になるため、右打者よりも早く
        一塁に到達することができる。

2、右投げのメリットとして、全てのポジションを守ることができるため出場機会が
        多くなる。左投げでは投手、一塁手、外野手に限られる。

3、左打者の利点として、右打者が多数派を占めるため、投手は左打者との対戦経験や
        投球練習が少なくなり、左打者有利になりやすい。

 

上記の3つの利点からデビッド・マン教授(スポーツ医学)は論文の中で、子供たちの指導者に
下記のように語っています。

▲プロ野球1950年のリーグ分裂後、右投げ左打ちの本塁打王は!

プロ野球が1950年のリーク分裂後、68人のホームラン王が出ていますがその中で右投げ左打ち
の日本人バッターは、掛布選手、小笠原選手、松井選手のわずか3人しかいません。
右利きを左打ちに変えるのはホームランバッターを育てるのには向いていないことになります。

 

中距離バッターまたはイチローや立浪選手の様な安打製造機に、打率を、出塁率を上げる
ためには左打ちに変えたほうが良いということになります。が、野球の華である
ホームランバッターには向いていないことになります。なぜか!?

 

科学的データによると「本来、右利きの選手が左打席で打ってもバットに当ててコントロール
しやすいが、ジャストミートの瞬間に利き腕でない左手では強く押し込む力が弱く遠くに
飛ばせなくなる」と言うデータがあります。その結果が70年で3人しかホームラン王が
出ていないエビデンス(根拠)になっているのです。

 ▲左投げの投手より左打ちの選手の方が多くなっている!

 昨年(2019年)プロ野球選手調査のデータによると、左投げの投手より左打ちの打者の方が
14%も多い。これは「左打者の方が有利」とされているために、少年野球、高野球の
アマレベルの内に左打ちになるケースが多いのだ。(図1―1)