投げるボールに迷ったらアウトローに投げろ!なぜか?

 

外角低めに投げる、ボールは低めに集めろ、はピッチングの基本でもあります。バッターが
優秀で、どこに投げても打たれそうなときに、投げるボールがわからなくなってしまう時に
「アウトローに投げろ」つまり外角低めにストレート投げなさいと言う意味です。

なぜ低めなのかピッチングイラスト                                   
なぜ「アウトロー」なのか!?プロでもアウトコース低めを長打やヒットにするのは難しく
もちろんプロのアウトローを打つのが得意な打者でも、アウトローと分かっていない限り長打は
難しいコースです。最もピッチャーもアウトローでストライクを捕るのも優しくはありません。

▲ボ―ルのストライクゾーンが高くなるほど打球の飛距離が伸びる。

メジャーリーグでも外角低めのストレートは打つのは難しいと言われていますが、ストライクゾ
ーンの中で低めギリギリのコースから1センチ刻みに、高めのゾーンギリギリまでを比較すると、
高くなるにつれてボールの飛距離は伸びているのです。

 

低め、ギリギリのコースと高めギリギリのコースで比較するとなんと約20メートルもの差が
でることが分かりました。このデータは2016年のメジャーリーグのピッチャーがバッターに
投げた71万球から打者がスイングした約33万球、そこから空振り、ファウルを除いた約13万球
の打球を分析したデータからの結果です。

▲なぜ低めの方が打たれ難いのか?なぜ外角低めが良いのか!

打者からボールが離れているため、打ちにくいしかも外角低めに投げられるとバットが届くのが
ギリギリなのでバットの芯でとらえるのが難しくなり、バットに当てるのが精一杯である。
仮にジャストミートしても長打になりにくい。

 

ボールの位置が低いと言うだけで、バッターには不利なのです。同じ力で、同じ角度でボー
ルを打ち出した時、打ち出す元の位置が高いほうがボールは遠くに飛びます。それは
打球角度、打ちだす位置が高いほど打球角度が大きくなるから遠くに飛ぶのです。

 

したがって、低めのボールの方が打たれても長打にならず、内野ゴロなどに打ち取りやすいの
です。それがアウトローに投げると、さらにヒット、長打を打つのは難しくなります。
つまり、悩み困ったときのアウトローに投げるのは正解なのです。

▲なぜ、高めに投げるのは危険なのか?

低めへの投球は、打球角度が小さくなり飛距を抑えることでき、定説通り、ピッチャーが低めに
投げることは失点を防ぐ上で効果があることが理解できたと思いますが、では高めはなぜ投げて
はいけないのか!高めの使い方場面や投手のボールの特性を考えながら投げることが必要です。

 

高めの場合はジャストミートされると長打になる確率が高いので危険だ。ということですメジャ
ーリーリーグのデータでもゾーンの高めにけばいくほどバッターは空振りが多くなる言う結果が
出ています。近年、フライボール革命の浸透により空振りが多くなっています。

▲フライボール革命の影響が野球界に浸透し野球が変わりつつある!

フライボール革命により、バッターのスイングがみんなアッパー気味のスイングになっているた
め、ストライクゾーンのギリギリの低めはアッパースイングでも遠くに飛ばすのは難しいですが
真ん中より少し低い場合アッパ―スイングで打てるので、逆に高めで打ち取る。

 

つまり、高めのコースのボールが見直されているのです。この傾向はMLBも日本のプロ野球も、
今では大学や高校野球も変わりつつあります。つまり高めのボールが危険なボールとは言えず、
空振りを取る有効なボールになりつつあります。

 

ただ、ピッチャーに言えるのは低めにしても、高めにしても正確に思っていたところに投げれる
コントロールが重要であるということです。頭で分かっていても簡単にコントロールできない
のが野球です。今はスタットキャストやスピードガンなど分析機器が進歩しています。

 

そのために、ボールの見える化が一気に加速的に進んでいます。スピードガンで瞬時にボールの
回転数やスピ-ド、球質がわかり、勝ち負けとは別の見方、より細かい戦略、戦術が必要な時代
になってきています。単純に低めに投げろとは言えない時代であり、野球も新時代に入った
といえるかもしれません