ピッチャーの投げ方、アンダースローのフォーム!

 

ピッチャーの投げ方、今回はアンダースローと言われる、腕が水平よりも下から投げる
ピッチャーの投球フォームのことを言います。カラダ全体を使って、地面に近い位置から
ボールをリリースします。アンダースロー言ますが、この言葉は造語です。

英語ではとサブマリンと呼ばれています。カラダ全体を沈ませながら、地面に近い位置から
すくい上げるように投げるため、潜水艦が水面に浮上する姿に似ているためサブマリン
(潜水艦)と呼ばれるようになりました。また、日本では下手投げとも言います。

 

プロ野球では、歴史的に見てあまり多くはいませんが、有名なのはオリックスの前進である
阪急ブレーブスが全盛の時のエースである山田久志投手です、通算284勝を記録した
大投手です。現役では西部、メジャー、楽天でリリーフ投手として活躍している牧田和久投手
ソフトバンクから出てきた昨年も活躍した、若手の高橋礼投手など数人しかいません。

▲アンダースローの投手が少ないのは何故か!

独特の投球フォームのため投げるコツをつかむのが難しいことが挙げられますが、もう一つの
理由は、選手のカラダが大きくなってきていることが挙げられます。アンダースローは
長身のピッチャーには不向きと言われています。ピッチング

長身の投手は圧倒的にオーバースローやスリークォーターが有利です。そのため特別な理由が
ない限りアンダースローのフォームで投げる必要がありません。

さきほど紹介したソフトバンクの高橋礼投手は身長が188センチあり高身長ですが、フォームも
スムーズですしコントロールも悪くありません。もともと器用なタイプなのでしょう。
ちなみに、牧田投手も177センチでプロ野球選手としては大きい方ではありません。
今は引退していますが、ロッテで活躍した渡辺俊介投手も177センチです。

 

 
アンダースローのフォームは日本人に向いているとも言われていますが、カラダがあまり大き
くないこと。つまり小柄で手先が器用な日本人向きの投げ方なのです。アンダースローは、
カラダを前倒して腕を小さく畳みながらボールを投げるため、大きい選手は腕も長いため腕を
コンパクトに畳むことやカラダを低く沈めること難しいのです。

 ▲メジャーには極少数のアンダースローしかいない!

メジャーリーグにはほとんどアンダースローのピッチャーはいません、いても、カラダを
沈めて、下から投げるピッチャーは、まずいないと思いますが、腕だけ下に下げて投げる
下手投げは何人か見ましたが、牧田投手のような本格的な下手投げはで
きないのではないでしょうか!

 

もう一つの理由は日本の野球とメジャーの基本的な野球の考え方の違いではないでしょうか!
日本の野球は、特にアンダースローの投手はスピードよりコーナーに投げ分けるコントロールを
重視します。内外角の高低に投げ分けバッターを攻めます、つまり、テクニックや技で
バッターを打ち取るのです。精密なコントロールで見せ球を使ったりしてうちとります。

▲メジャーリーグにはアンダースローには必要がない!

一方メジャーの投手は球数制限があり、いかに効率よく打者を抑えるかが評価基準になります
ので、力でねじ伏せる球速と一球で仕留められる決め球が求められます。もちろん日本の
野球でも決め球や スピードは重要ですが、アンダースローの場合はコントロールが重要です。

 

メジャーの場合も、もちろんコントロールも重要ですがいかに効率よくアウトを取るかが
必要なのです。わざわざ投げにくい下たて投げをするよりも、スピードの出るオーバースロー
やスリークォーター、サイドスローで投げた方がメジャーリーグの野球に合っているのです。
つまり、スピードが出ないアンダースローはメジャーには不要なフォームなのです。

▲アンダースローの有利なところは?

1、 肩や肘の故障が少ない。

腕をしたから出すアンダースローの投球フォームは、リリース時に腕を肩より上にあげない
ため、オーバースローやスリークォーターの投手よりも肩への負担がかかりにくいメリット
があります。また、下半身を中心にカラダの全身を使って投げるフォームのために、肩や肘
に負担が集中せず、肩や肘が故障しにくいというメリットがあります。

 

そのため、オーバースローやスリークォーターや他のフォームで肩や肘を故障した選手が
負担の少ないアンダースローに転向する投手が結構いるようです。

、浮き上がるような軌道のボールが投げられる。

アンダースローの投球フォームは地面に近い位置からボールをリリースするため下から上に
投げる感じになるためバッターから見るとボールが浮き上がってくるような軌道に見えるため
打ちにくいと言うメリットがあります。また浮き上がって見えるボールを打つとボールの
下側に当たりやすく、ポップフライに打ち取れる確率が高くなります。

・スライダー

アンダースローの投手が投げやすい変化球はスライダーはホームベースの
手前で横に曲がる

・シンカー

一度浮いたボールが曲がりながら沈んで落ちるシンカーなどの変化球が投げやすいです。

 3、ピッチャーの投げるボールの出所がわかりにくい。

足を上げた後、カラダを前に倒しながらテイクバックする。カラダを沈めて、前足をステップ
するとギリギリ胸を開くのを我慢し、地面に近い位置から腰の回転を追うようにボールを
リリース、この時、一瞬ボールの出所をカラダで隠すことが可能になり、バッターはボールの
出所がわかりにくくなる。これもアンダースローのメリットです。ピッチング

4、ホームベースとマウンドの距離を短く使える。

 カラダを沈めて腕を下から出す投げ方のため、ステップした足を大きく前に踏み出すことに
なります。踏み出すことによりホームベースとマウンドまでの距離を他のフォームより距離を
短くすることができます。ステップした足を大きく踏み出し、さらにボールのリリースを
ギリギリまで我慢することができれば、さらに距離は短くなります。

▲アンダースローのデメリット!

 1、縦に変化するボールが投げにくい。スプリット、フォーク、縦カーブなど

2、スピード(球速)が出にくい。

3、左投手対左打者の場合ボールの出所が見やすい

・アンダースローはボールを下手投げするフォームのため縦に変化する落差の大きい変化球の
フォークやスプリット、縦カーブが投げにくくなります。

・右投げのアンダースローは左打者からは自分のからだを含めて遮るものがなく、ボールを
リリースするポイントが見やすくなり、タイミングがとりやすくなります。