打点の価値と打撃スタイルの美学。バッティング技術

 セイバーメトリクスはじめトラックマンやスタットキャストなど、トラッキングデータの
発達により、「感性」で分かる部分が失われつつあります。チームが攻撃中やチャンスの時
「雰囲気がある」「何かもっている」などと言った、データでだけでは分かり得ない部分です。
エンゼルスの大谷選手のような、バッターボックスでの雰囲気を大事にし、結果に結びつける
勝負強い選手の価値は高いし、誰もが認める選手です。巨人の中田選手も雰囲気を
そのまま結果に結びつけるバッターです。今は巨人で苦労していますが、
ガンバッテほしいですね!

打点の価値と打撃スタイルの美学。バッティング技術
チョット、古くなりますが2005年の阪神がリーグ優勝した年ですが、今岡誠(今岡真訪)選手
がキャリアハイとなる147打点を記録。得点圏打率は370の高打率です。三塁に走者いる場合は
643の高打率を挙げています。今岡選手の場合も試合展開や状況に合わせて、軽打で打点を
取りに行く打撃ができ、もちろん長打も打てる器用な打者です。大谷翔平選手も中田翔選手も
今岡誠も3人とも状況に合わせて打てる、雰囲気を大事にするバッティングスタイルの選手です。

▲「雰囲気がある」・「何か持っている」!

当然、勝利に導くために創意工夫を重ね殊勲打が打てるように努力をしているため、チームに
頼られる選手になります。チームを勝利にする打点を生み出す力やクラッチ力は、技術や得点圏
打率では分からない能力があるのではないか!それがセイバーメトリクスでは分からない「何か
持っている」「雰囲気がある」のは、感性でわかる部分ではないでしょうか。また、打撃スタイ
ルは十人十色であり一長一短である。有名なスター選手であっても同じです。

▲プロでも競争に勝たなくては生き残れません!

そんなスター選手でも、優勝争いや勝負どころでは、自己犠牲のバントをすることもあります。
サインの時もありますが、自分の判断でするのがプロフェッショナルではないでしょうか!
プロ野球の選手のほとんどは、アマチュア時代はスラッガータイプの強打者として、名を馳せた
選手たちである。入団して、すぐにプロの壁に当たり、生き残りをかけた、競争が始まります。
生き残りをかけて、プライドも捨て、あれこれ悩みながら新しい自分のバッティングスタイル
を創り、レギュラー争いを勝ち取りプロの地位を築いていくのです。

▲理想的な2番・5番打者の中村晃選手

そんな、選手の一人がソフトバンク中村晃選手です。模範的な2番打者であり、強打の5番打者
でもあります。ゲームの状況に応じた打撃や思い切りの良さから生まれるホームランもある、
チャンスに強いバッターである。プロ入り後はアベレージバッターになりましたが、高校時代は
通算60本塁打の誇るスラッガーであった。今は、どのチームでもほしいバッターのタイプで
ある。また、ヤクルトの内川聖一選手も同じようなタイプです。

▲詰まらせてヒットにする技術の内川選手!

今季の最終戦で引退しましたが、高校時代は通算43本塁打を記録し、プロ入り後は紆余曲折
ありましたが、8年目に、右打者最高打率を残した、歴代屈指のヒットメーカーになった。
内川選手の高等技術を生かした「打球をわざと詰まらせてヒットにする技術」チャンスの
場面で、外野の前に落としたり、犠飛を放つ。2009年のWBCの決勝戦で韓国の林昌男投手
から打ったライト前のヒットがその一打で、日本を勝利に導きました。

2017年のWBCの2次ラウンドのキューバ戦では、同点で迎えた8回に代打で登場し、詰まらせて
ライトへ決勝点となる犠牲フライを放った。また、2021年の日本シリーズでは日本一になる
決勝打を放ったヤクルトの川端慎吾選手もこの技術を持っています。高校時代は33本の
本塁打を記録していましたが、プロ入り後はアベレージヒッターとして、技術を磨きあげて
2013年に首位打者に輝いています。

2022年10月6日