高木美帆1000メートル
五輪新記録で悲願の個人初  金メダル! 

 北京オリンピック大会14日目の17日行われた、個人種目スピードスケート女子1000メートルで
今大会5種目目の出場で、悲願の金メダルを手にしました。今大会は5種目に出場。願い続けた
オリンピックの個人種目での金メダルをこの女子1000メートルでついに手にしました。
オリンピック3大会目の5種目メの個人種目初の金メダルです。

高木美帆1000メートル 五輪新記録で悲願の個人初  金メダル!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

高木美帆選手は短距離から長距離までメダルが狙える、選手として今大会5種目7レースに
出場した高木美帆選手は4個目のメダルとなった。『この五輪、出だしはつらいことがたくさん
あった。ヨハンがいないこともあり、調子を上げきれなかった。最後に自分のすべてを
出し切ることができた』と高木美帆選手。試合後の会見中に喘息のような症状が出て、
せき込むなど疲れで、カラダはボロボロで、身を削りながら戦った。

▲1000メートル五輪新記録で優勝!

 1分13秒19の五輪新記録で優勝した。毎日のようにレースに出場していた高木美帆選手。
5種目7レース出場で銀メダル3個、金メダル1個を獲得。誰もがそのタフネスぶりに驚く。
旧ユーゴのナショナルスキーチームのコーチだった平山昌弘氏(フィジカルトレーナー)の
解説では、『高木美帆選手の滑りを見るとブレード(刃)が氷の上を長く滑っている。柔軟で
可動域が広い股関節の上に体重が乗っている時間が長い。それだけ体重の重みをパワー
に転化できているのです。身体の使い方の意識が高いのでしょう。

レース前、ゴムチューブを使い、低い姿勢で足を交差させながら横に動くウオーミングアップを
しているが、コーナーでは体重のかけ方が難しい。『ここかな?』『もう少し右かな?』と
股関節に体重が乗るベストの位置を探しているのではないか。滑りやすい氷の上ではバランスを
崩すと制御が効かない。ベストな位置に体重が乗っていれば、自らの滑りから生まれるパワーを
氷に最大限伝えることができ、氷上からも反発力を得られる。スタミナを大きく消費することが
なく、効率よくスピードが出せる』

 

さらに『短距離はスタートダッシュが重要です。高木美帆選手は股関節が機能しているので
ハムストリングス(太ももの裏の筋肉)が十分に使えている。これで氷を蹴る近ガアップし
加速する』見事です。このように、カラダのバランス、筋肉の使い方、筋肉の鍛え方が正しく、
5種目7レースを短期間で長距離も短距離もこなせるのですね!それにしても凄いですね!
一人で7レースもこなしているのですから、しかもメダル4個です。

 ▲高木選手が心酔するオランダ人コーチ!

 高木美帆選手が事あるごとに『おおきな存在』と語るオランダ人コーチのヨハン・デビット
ヘッドコーチは2015年5月に就任。14年ソチオリンピックでメダルゼロだったスピード
スケートチームを劇的に変えた。18年の平昌オリンピックでは金3個を含む史上最多の6個の
メダルを獲得。今回の北京オリンピックもすでに、競技別で最多の5固のメダルを獲得している。

 

バンクーバー五輪のスピードスケート男子日本代表の土井愼悟氏が『貢献度は非常に高い』と
語り、さらに『ソチ大会後に日本がナショナルチーム化するにあたり、スケート王国の
オランダが常日頃から積み上げていることを徹底して教え込んでいる。練習中にドーナツを
食べる選手たちを『勝つ気があるのか』と叱責するなど、食事や体脂肪率などを徹底し、
厳しく管理するだけでなく、科学的データを元にした細やかな指導が日本人にマッチ。

 

代表チームとして1年の内300日間も寝食を共にし、トップ選手同士を切磋琢磨させた。
スピードスケートはレベルの高い選手の後ろを走ったりすることで、上達するコツを掴み
やすい競技と言われています。男子も含めて前回の平昌大会から大きくレベルアップして
います。屋外でのロード練習にも力を入れていて、一日100キロを自転車でこがせるなどして
鍛えていると言う。当然、連盟やチーム内でも次に向けて、続投を求める声が高まっている。

プロフィール

高木美帆選手は、北海道出身の27歳。持ち前の持久力と氷に力を効率よく伝えるスケーティング
技術に優れた世界屈指のオールラウンダーです。女子1500mで世界記録、1000mで日本記録を
持っています。オリンピックは2010年のバンクーバー大会で日本のスピードスケート史上、
最年少の15歳、中学3年生で初出場し注目されました。前回のピョンチャン大会は、1500mで
銀メダル、1000mで銅メダル、そして、女子団体パシュートで、金メダルを獲得しました。

その後も、世界オールラウンド選手権で、日本選手で初となる総合優勝や1500mでの世界
記録更新などトップスケーターとして第一線を走り続け、2021-22年シーズンのワールド
カップでは1500mと1000mでそれぞれ優勝。3回目となるオリンピックでは個人種目の
金メダル獲得を狙います。姉は、ピョンチャン大会で金メダルを2つ獲得した
高木菜那選手です。