データ重視の可視化から、データを超えた感性と感覚の新時代に!

野球にかぎらずあらゆるスポーツがデータを可視化され、様々なデータを収集、解析できる
時代になりました。つまり自分で研究努力しなくても、データを見れば何でも分かる時代に
なったと言うことです。イチロー氏が言うように頭を使わなくても、データを見ればどうす
れば良いのか分かってしまうのです。例えばデータ野球の象徴として、守備のシフトがあり
ます。エンゼルスの大谷翔平選手の場合センターから右中間に飛ぶ打球が多いため野手が
センターから右中間よりに守ります。

データ重視の可視化から、データを超えた感性と感覚の新時代に!
この極端な守備シフトも実力が拮抗している中でやるから意味があるわけですが根本的な力が
なければ一蹴されるだけです。2019年と2020年の日本シリーズ、ソフトバンクと巨人の2年続け
ての対戦、2年続けてソフトバンクの4勝0敗、つまり2年で8連勝の完全勝利でした。巨人は
屈辱の8連敗です。ソフトバンクの工藤監督の采配も冴えていました。巨人は完全にセイバーメ
トリクスでデータを分析、チームを丸裸にされていました。

 

選手の一つ一つのプレーがデータを超えた時にドラマが生まれる。それが最高のエンターテイ
メントとなる。この瞬間が野球のだいご味であり、スポーツの面白さである。データを把握する
ことは当然ですがそのデータを活かしたうえで自分の感性と感覚で自分に取り込むことで、
プレーがより次元の高いプレーになり、観客を感動させるのです。巨人の遊撃手坂本選手も
『才能、努力、そして数字で推し量ることのできない“何か”が必要』と発言しています。

▲長い経験で磨かれる感性・感覚!

データや数字では分からない 何かに対しても意識していることが分かります。プロ野球選手
として、長い間プレーしている以上、成績やデータで判断されてしまうことはあるが、それだ
けではないと言うこと分かっているのです。坂本選手のような主力選手が気合を入れている
試合や場面はシーズンや試合の勝負所である。坂本選手が勝負どころを分かり、見抜ける
理由は、統計上やデータ解析にはありません。長年の優勝争いをしてきた
経験で嗅覚や感覚で分かるのです。

 

エモーショナルな部分をプレーを通してチームや選手を駒舞する姿はまさに坂本イズムであり
プロフェッショナルさを感じます。眼で見てわかるオーラであり「何か」を感じます。
直感や感性で「気づく」ことはカテゴリーを問わず非常に重要な事です。経営の神様と呼ばれ
ている松下幸之助も『修練に修練を積み重ねたところから生まれたカンは科学にも勝る』と
言う名言を残しています。カンと言うと、なんとなく非化学的で、
あいまいな言葉に聞こえます。が。

修練に修練を重ねたところから生まれたカンというものは、化学でも及ばぬほどの正確性、
適確性を持っています。これまでも成功や失敗の体験、その積み重ねで得られた、知見に
よって、言葉やデータでは表現できない直感、感性が生まれ、実際に機能するようになる。
ロジックやエビデンスハいつか「限界値」に達してしまいますので、それだけだと直感を
持つ相手に劣ってしまうケースも出てきます。

 

これからもデータの精密化はどんどん進んでいきます。プロ選手をはじめ、多くの選手、
チームへと普及され続けていくと思いますが、本当に凄い試合や強いチームになると、選手の
プレーのクオリティは必然的に高くなるため、内容的にも魅力のあるお面白い野球なる。
TVを見ていても時間を忘れるほどの、試合を見入ってしまう。
そんな試合がどんどんふえてほしいですね!

2022年10月25日